業界歴20年の僕が整理する「トラック」の世界 初級編
そもそも「トラック」とは?
トラックを一言で説明すると「荷物を運ぶ為に使用される荷台のついた自動車」になります。日本における大きな括りでは、一般的な車「乗用車」に対し「商用車」と区分されています。
トラックの中での区分としては「大型」「中型」「小型」の3種類にわかれます。(ここでは軽自動車ベースの”軽トラ”は除きます)大きな違いは積載量といわれる荷物の運べる量で、それに応じて車両が区分されています。
「大型」は10t以上、「中型」は4t~8t、「小型」は2t~4tが目安になります。
何に使われているのか
用途は大きく2種類に区分されていて登録情報やナンバープレートでも明確に違いが示されています。
- 営業用:荷物を運ぶ事を仕事(業)としている。ナンバープレートが緑色(俗に青ナンバーと言われている) 運送業が代表格。大型・中型は営業用比率が高い
- 自家用:荷物を運ぶ事が仕事(業)ではなく、仕事の為の一つの作業。ナンバープレートは白色。八百屋などが仕入れに使う場合など。小型では比率が高い。
荷物は様々で、工業製品・食品・土砂・木材・ゴミなどなど。それぞれに荷物を積む荷台形状が異なります。代表的なものは以下のとおりです。
- 平ボディー:一般的な平たい板を50cmぐらいの枠でかこったもの。小型で多い
- バン:板で囲った六面体の箱。引っ越し等に使われるもの。横面のみが上に開く形状のものは「ウイング」と呼ぶ。大型トラックで最も多いのは「ウイング」
- ダンプ:荷台が一点を軸として90度近くまで傾くもの。土砂等を効率よく運び降ろす事を目的としている。建設現場では無くてはならない存在。
- 冷凍車:バンに冷凍機がつけられ温度管理が可能なもの。冷凍食品やアイスクリームの輸送に使用される。コンビニ発展の陰に冷凍車あり。
- 塵芥車:ゴミ収集に使われるもの。ゴミを圧縮する機械が装着されている。
どこで作られているのか
国内でトラック用の自動車(キャブ付シャシ)を生産しているメーカーは4社あります。いすゞ自動車、日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスになります。いすゞ、日野、三菱ふそうは大型、中型、小型の全てを生産しており、UDトラックスは大型のみを生産しています。また2019年12月にいすゞがUDトラックスを買収した事が発表されたので今後は3社になるかもしれません。
トラック用の荷台(ボディー)は上記とは別の会社で作られます。
どのように売られているのか
日本国内では年間で約20万台のトラックが販売・登録されています。内訳は大型・中型が各4~5万台。小型が10~11万台になります。
販売はトラック用自動車生産会社(前記した4社)傘下の販売店(ディーラー)が行っています。日本国内では500店以上のトラック用ディーラーが存在しています。
販売価格は車両や荷台の種類により様々ですが、平均的には大型トラック1,100万、中型トラック700万、小型トラック350万あたりになります。
乗用車と同じように、「トラックを買いたい」と思った際は、好みのメーカーの販売店を訪問し営業マンへ相談すれば購入する事ができます。
初級編はこのあたりで。。次回は中級編を纏めたいと思います。